「テレビって、どうやって捨てればいいの?」
引っ越しや買い替えをきっかけに、そんな疑問を持つ方はとても多いのではないでしょうか。実はテレビは、粗大ごみとしてそのまま捨てることができず、家電リサイクル法に基づいた正しい方法で処分する必要があります。
「手続きが難しそう」「料金はいくらかかるの?」「どこへ持っていけばいいの?」と不安になりますよね。
この記事では、テレビの正しい捨て方を、初心者の方にもわかりやすく、手順・費用・注意点までまとめて解説していきます。初めてテレビを処分する方でも、この記事を読めば迷わず手続きできるようになりますよ。
テレビはなぜ普通に捨てられないの?リサイクル法の基本
テレビは、自治体では回収できない家電に指定されています。その理由は、家電リサイクル法という法律で、正しい方法でリサイクルすることが義務付けられているからです。
家電リサイクル法は2001年(平成13年)4月1日に施行され、エアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビなどの家電に含まれるガラス・金属・プラスチックなどの資源を無駄にせず再利用することを目的として作られました。
テレビの中には、再利用できる貴重な資源が多く含まれている一方で、環境に悪影響を与える物質も含まれています。そのため、通常のごみとして処分すると、環境汚染の原因になってしまうのです。
また、自治体がテレビを回収しないのは、
✅ 分解・処理に特別な設備が必要
✅ 安全な処理が難しい
といった理由があるためです。
リサイクル法では
「誰が・どこで・どのように処分するのか」というルールが細かく決められており、
決められた方法でリサイクルすることで、資源を守り、環境への負担も減らす仕組みになっています。
つまりテレビは、「捨てる」のではなく「リサイクルに出す」ものという扱いになります。
リサイクル対象になるテレビの種類(液晶・有機EL・ブラウン管)
テレビはすべてがリサイクル対象となっており、製造年やメーカー、壊れている・動かないといった状態に関係なく、原則すべてリサイクルが必要です。現在主に流通しているテレビは、次の3種類に分けられます。
液晶テレビ|現在もっとも一般的なテレビ
現在もっとも普及しているのが液晶テレビです。薄型で省エネ性能も高く、多くの家庭で使われています。
液晶テレビには、
- ガラス
- アルミなどの金属
- プラスチック部品
といった再利用できる資源が多く含まれているため、必ずリサイクル対象となります。画面が割れていても、電源が入らなくても、通常どおりリサイクル処分が必要です。
有機ELテレビ|高画質だが処分方法は液晶と同じ
最近増えているのが有機ELテレビです。色の再現性が高く、画面がとてもきれいな高性能モデルですが、処分方法は液晶テレビとまったく同じ扱いです。
- 自治体の粗大ごみでは出せない
- 家電量販店や指定引取場所での回収が必要
- リサイクル料金がかかる
という点も液晶テレビと共通です。
ブラウン管テレビ|古いテレビでも必ずリサイクル対象
昔ながらのブラウン管テレビも、現在でもリサイクル対象です。すでに製造は終了していますが、押し入れや倉庫に眠っているケースも少なくありません。
ブラウン管テレビは、
- ガラスの量が非常に多い
- 重くて割れやすい
- 処理に専門設備が必要
という特徴があるため、安全面・環境面からも通常ごみとしては絶対に捨てられません。
ポータブルテレビ・小型テレビも対象になる?
サイズが小さいテレビやポータブルテレビも、「テレビ機能があるもの」は基本的にリサイクル対象となります。「これはテレビ扱いになるのかな?」と迷った場合は、購入したお店や回収業者に確認するのが確実です。
どの種類でも共通ルール|壊れていてもリサイクルは必須
よくある誤解として、
- 電源が入らない
- 画面が割れている
- 映らない
こうした状態でも、テレビはすべてリサイクル対象から外れることはありません。「壊れた=ごみに出せる」というわけではないので注意しましょう。
テレビを処分する前に必ずやるべき3つの準備
テレビはリサイクル家電のため、思い立ってすぐにゴミとして出すことはできません。スムーズに処分するためには、事前にやっておくべき3つの準備があります。これを押さえておくだけで、手続きがとてもラクになります。
準備① テレビの「メーカー名」と「画面サイズ」を確認する
まず最初に確認するのが、
✅ テレビのメーカー名
✅ テレビの画面サイズ(インチ)
この2点です。リサイクル料金は、メーカーとサイズによって金額が異なるため、事前確認が必須となります。
メーカー名やサイズは、
- テレビ背面のシール
- 取扱説明書
などで確認できます。
この情報が分かっていれば、家電量販店・指定引取場所・回収業者のどこに依頼する場合でも、手続きがスムーズに進みます。
準備② リサイクル料金と収集運搬料金の目安を知っておく
テレビの処分には、主に次の3つの費用がかかります。処分の方法によって収集運搬料金や訪問回収費は不要になります。
- リサイクル料金(メーカー・サイズごとに決まっている)
- 収集運搬料金
- 訪問回収費
たとえば、
- 自分で指定引取場所へ持ち込めば「収集運搬費、訪問回収費なし」
- 家電量販店や回収業者に来てもらう場合は「運搬費が追加」
というように、選ぶ方法で総額が大きく変わるのがポイントです。
あらかじめ相場を知っておくことで、「思ったより高かった…」という失敗も防げます。
準備③ テレビ周りの配線とB-CASカードを外しておく
意外と忘れがちなのが、配線類とカード類の取り外しです。
処分前には必ず、
- アンテナケーブル
- HDMIケーブル
- USB機器
などをすべて外しておきましょう。
また、テレビ背面や側面に挿入されているB-CASカードやminiB-CASカードも忘れずに取り外してください。これは個人情報と紐づいていることもあるため、抜き忘れるとトラブルの原因になります。
家電量販店でテレビを処分する方法
家電量販店でテレビを処分する方法には、大きく分けて次の2通りがあります。どちらも家電リサイクル法に基づいた正規の回収方法なので、安心して利用できます。
①店頭に自分で持ち込む方法(持ち込み回収)

ひとつ目は、お店のサービスカウンターなどへ自分でテレビを持ち込む方法です。
この場合にかかる費用は、基本的に
- 家電リサイクル料金(機種や大きさで異なる)
- 収集運搬手数料
収集運搬手数料は2,200円くらいが相場。車で運べる方や少しでも費用を安く抑えたい方に向きます。
②自宅まで来てもらう「訪問回収」

もうひとつが、スタッフが自宅まで来てテレビを回収してくれる訪問回収です。
この場合は、
- 家電リサイクル料金
- 収集運搬手数料
- 訪問回収費
と訪問回収費が追加でかかります。訪問回収費はお店によって異なりますが、
おおよそ1,100円~3,300円前後が相場となっています。高齢の方や車を持っていない方に向いています。
テレビ買い替え時の「同時回収」は手間がかからない
申し込みから処分完了までがとてもスムーズなのが、テレビ買い替え時の「同時回収」。費用面について納品時に回収してもらっても訪問回収費がかかるケースも多いため、事前の確認が必要です。
処分だけでも対応可
家電販売店であれば、購入はなくても手数料を払えば処分の対応をしています。詳しくはお店にお問い合わせてください。
指定引取場所へ自分で持ち込む方法
できるだけ処分費用を安く抑えたい方におすすめなのが、指定引取場所へ自分でテレビを持ち込む方法です。
この方法は、収集運搬費がかからず「リサイクル料金のみ」で処分できるのが最大のメリットです。
指定引取場所を利用する場合の費用

この方法でかかる費用は、基本的に✅ リサイクル料金のみ収集運搬費や訪問回収費はかからないため、3つの処分方法の中で最も安く済む方法といえます。
指定引取場所とは?
指定引取場所とは、家電リサイクル法に基づいて、メーカーや国が指定している「リサイクル専用の持ち込み場所」のことです。
各地域に1か所以上は必ず設けられており、持ち込まれたテレビはここから正規ルートでリサイクル工場へ運ばれます。
指定引取場所へ持ち込む基本的な流れ

指定引取場所を利用する場合の流れは、次のようになります。
1️⃣ テレビの「メーカー名」と「サイズ」を確認
2️⃣ 郵便局で家電リサイクル券をもらい、記入する
3️⃣ リサイクル料金を支払う(振込手数料必要)
4️⃣ 指定引取場所へ自分でテレビを持ち込む
5️⃣ 受領証を受け取って完了
郵便局でリサイクル券をもらい記入して振込ます。一度流れを理解すれば難しい作業ではありません。
テレビの処分にかかる料金相場はいくら?
テレビ処分の費用はどのくらいかかるのでしょうか?
- リサイクル料金:メーカー・画面サイズごとに全国共通
- 収集運搬料金:店舗ごとに設定 2,200円前後※
- 訪問回収費:店舗ごとに設定 3,000円前後※
※あくまでの目安なので正規料金は各店舗でお問い合わせください。
- 液晶テレビ1台あたり:小さいサイズで1,870円、大きいサイズで2,970円
- ブラウン管型1台あたり:小さいサイズで1,320円、大きいサイズで2,420円
詳しくは一般社団法人 家電製品協会公式でご確認ください

まとめ|テレビの捨て方は3通り。自分に合った方法を選ぼう
テレビは家電リサイクル法の対象家電のため、自治体のごみとして簡単に捨てることはできません。処分方法は大きく分けて、次の3つの方法があります。
- 家電量販店に自分で持ち込む方法
→ 費用を安く抑えたい方におすすめ - 家電量販店に引き取りを依頼する方法(訪問回収)
→ 手間をかけず、ラクに処分したい方におすすめ - 指定引取場所へ自分で持ち込む方法
→ 最も安く、正規ルートで確実に処分したい方向け
それぞれにメリット・デメリットはありますが、
「安さ重視」「ラクさ重視」など、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
テレビは家電リサイクル法の対象家電のため、
「いつか使うかも」と保管していても、最終的には必ず処分が必要になります。
- 買い替えた
- 壊れた
- 引っ越す
といったタイミングは、処分の絶好のチャンスです。
テレビに限らず不要な家電は使わなくなった時こそが、いちばん良い捨てどき。と考えておくとスッキリと暮らせそうです。


